勉強したこととか、普段のこととか。

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プロスペクト効用関数

僕は大学で経済学を勉強していたのだが、今大学で教えられている経済学とは如何に最適な解を求めるか?ということに終始したものが多い。例えば企業はどれだけ製品を生産してどのような価格を付けたら利益が最大になるか。そのときに最も消費者が特をする行動はどのようなものか。といった具合だ。正直に言うとそのような経済学が主流になったのは資本主義が隆盛しているからであり、社会保障の概念よりもより大事にされている感じがある。もちろんその方が資本家や大企業にとって都合がいいので、そのような種類の経済学が経済学ノーベル賞等で評価されたりしているのである。

 

しかし中にはそうじゃない授業も有り、行動経済学という面白い授業があった。下の図はプロスペクト効用関数と呼ばれるものである。

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これは、自分が得をした時と損をした時にどのようにそれを評価するかということを示した図である。例えば、100円を拾う・100円を落とすといった2つの行動があるとする。その行動を5点から-5点の間の10段階の点数を付けて評価したときに、100円を拾うことを3点であるとすると、本来なら100円を落とすことは-3点になりそうである。しかし調査をしてみると人はその行動を-3点以下(つまり-4点とか)に評価する傾向にあるのだという。つまり良いことより悪いことの方が心に大きく残りやすいということである。

 

なぜ最近この話を思い出したかと言えば、日常生活の中で様々な場面でこの考え方を知っていると役に立つなと考えたからである。良いことと悪いことは誰にでも等しく平等に起こるが、悪いことが起きたときにそれを必要以上に評価してしまうと、マイナスのほうが大きくなってしまうということである。悪いことが起きているときにそこで冷静に対処できれば、普通の人よりも全体としてより良くなるかもしれない。ポーカーなどのゲームでは、良い手役のときに勝つのは当たり前なのだが、それと同時に悪い手役のときにも同じくらい稼ぎを出すと言われている。良い手役のときに勝つのは当たり前なので、その様なときにしか勝てなければ全体としては±0かマイナスの方が大きくなってしまうのである。悪いことが起きているときこそ実はチャンスである、そんなことを教えてくれた珍しい経済学であったなと今になって思う。